地元工務店編


■地元工務店編
地元の工務店や建築会社で建てると言うのは案外失敗が少ない選択肢かもしれません。何故なら、地元の工務店や建築会社はある一定の狭い範囲をエリアとして営業しているからです。会社のある市町村及びそれに近隣する市町村がだいたいのエリアでは無いでしょうか。ですのであまり評判を落とすような事をすれば、たちまち話が広まり誰もその会社には依頼しなくなるでしょう。何事もそうですが、評判を良くするにはとても時間と労力がいるものですが、評判を落とすのは些細なことで簡単です。
ですので、このような会社は「地域に根ざして何十年」とか「地域密着、この道何十年」などをキャッチフレーズにして、地域住民の方を大切にしています。ただ、実際に建築を依頼するとなるとどんな家が出来るかわかりにくいのが難点です。地元でも多少中規模な会社(年間2,30棟)なら自社の単独展示場を持っていて参考に出来ますが、本当に小規模で年間4、5棟程度しかやらない会社の場合展示場も無く、パンフレットも無い場合があります。中規模な会社でも展示場への来場者数などたかがしれています。そこで各社集客のために、構造現場見学会や完成現場見学会などを必ずやっていますので、是非参加してみて下さい。特に構造現場見学会は地味でつまらないかもしれませんが、どのような基礎や土台なのか、柱は何を使っているのか、金具類はどうか等完成してしまうと見えない所が確認できます。それと現場が綺麗かどうか。これは結構重要です。見学会の時はお客様を呼ぶのでそれなりに掃除してありますが、別の日に突然訪問してみて下さい。現場が汚かったり、中には大工さんがたばこをくわえながら仕事をしていたり、ラジオをがんがん鳴らしながら仕事をしていたりするようだったら要注意です。今は現場のトイレの清掃や現場の掃除、ラジオやたばこの厳禁は一般常識になっています。チェックポイントとして頭に入れておいて下さい。それから完成現場も当然見ておいた方が良いでしょう。ただ間取りや住宅設備機器それから外観などはそれを建てたお施主様の好みなので、完成現場が2,3有れば参考のために見ておくと良いと思います。工務店の場合はハウスメーカーと違って自由度が高いところがメリットでしょう。ハウスメーカーは自社オリジナルの工法からオリジナルの住宅設備機器と結構制約がありますが、工務店であれば基本はありますが結構自由に変更が可能です。
それから大事なプランですが、出来れば社内に一級建築士がいて直接話し合いが出来る会社がおすすめです。小さな会社ですと自社に設計部が無く外注に依頼しているところも多々あり細部に関して話がうまく通じないで後になって揉め事の原因となります。最後に見積もりですが詳細な見積書を出してくるところは安心して良いでしょう。詳細な見積書になると30ページ近くなり、説明を受ける方はあまり内容が理解できないかもしれませんが(専門用語が多いため)疑問点はどんどん質問し納得するまで聞きましょう。中には見積書と言っても1枚にざっくりと総額だけ書いて出してくる会社もありますが、このような会社は工務店や建築会社といつても下請けに出しているケースが多いので遠慮した方が良いかもしれません。

最後になりますが、注文建築で家を建てると言うことは大変な作業です。分譲の建売住宅を買うのとは違いゼロから造り上げていくものですので労力も時間もかかりますが、必ず2,3社は見て、構造現場見学会や完成現場見学会などに参加して、納得のいくプランを書いてもらい、見積書にも納得してから請負契約をしましょう。皆様が納得のいく家で楽しく生活出来ることをお祈り申し上げます。